パレスチナ人クリスチャンの声(2)

シリーズ過去記事 

前回紹介した、パレスチナ人クリスチャンの神学者、ヨハンナ・カタナチョー師の詩を、作者の許可を得て翻訳します。これは2014年のガザ侵攻に際して発表されたものですが、現在のパレスチナ/イスラエル情勢にもそのまま当てはまる内容だと思います(原詩はこちら)。

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受難週に聴いた音楽

教会暦では昨日が受難日でした。2年前のこの日に「受難日に聴いた音楽」という記事を書きました。そこではポーランドの作曲家クシシュトフ・ペンデレツキ「ルカ受難曲」を取り上げました。

今年の受難節も、イエス・キリストの受難について思い巡らしていましたが、今年はパッション2000のために作曲された受難曲を全部聴いてみようと思い立ちました。

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祈りII(詩)

祈りII―詩的変奏―

黒く乾いた炭の上に
一片の香を そっと載せ
静かに 火を待ち望む

やがて火がともると
一すじの祈りが生まれ
炉の中でくゆり立つ











細く
細く
天に
向かって
のぼり
たゆたい
ひろがり
やがて 虚 空 に 消 え る

祈りが終わったとき
世界はいつものように回り続け
天は黙って見下ろしている

あとに残るのは
堂に満ちる芳香 静寂 そして
雪白の灰

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クリスマスの星

イエスがヘロデ王の代に、ユダヤのベツレヘムでお生れになったとき、見よ、東からきた博士たちがエルサレムに着いて言った、 「ユダヤ人の王としてお生れになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みにきました」。 ・・・彼らは王の言うことを聞いて出かけると、見よ、彼らが東方で見た星が、彼らより先に進んで、幼な子のいる所まで行き、その上にとどまった。彼らはその星を見て、非常な喜びにあふれた。(マタイの福音書2章1-2、9-10節)

東方の博士たちが星に導かれて幼子イエスを拝みに訪れた話は、聖書にあるクリスマスの物語の中でも、ひときわ印象的なエピソードです。

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教会の降誕劇などでも馴染み深いこの話ですが、一般に知られているストーリーには、聖書に書かれていない要素もあります。 続きを読む

オープン神論とは何か(6)

(シリーズ過去記事     

オープン神論の実践上の意義について、前回は祈りの問題を取り上げましたが、今回は神の導きを求めることについて考えます。

 

「選ばれざる道」

アメリカの詩人ロバート・フロスト(1874-1963)の詩「The Road Not Taken(選ばれざる道)」は、アメリカ人なら誰でも知っている詩で、子どもたちは学校で必ず習います。この詩は英語で書かれた最も有名な詩の一つであると同時に、最も誤解されている詩としても知られています。 続きを読む