からっぽの神さま(詩)

からっぽの神さま

神さまに願いごとをしました
求めているものを与えてくださいと
切に祈りました

神さまに会うと
神さまはさびしそうな顔で
両手を広げました
その手はからっぽでした
願っていたものは
そこにはありませんでした
とても悲しくなりました

でも神さまはからっぽの両手で
わたしを抱きしめてくれました
その両手には釘の痕がありました

わたしは神さまの腕の中で
ほんとうに求めていたものを見つけました
そして神さまの手は
もうからっぽではありませんでした