前回の記事では、聖書のグランドナラティヴを次のような7部構成で考えることを提案しました:
A 創造
B 悪の起源
C 神の民(イスラエル)
X イエス・キリスト
C’ 神の民の刷新(教会)
B’ 悪の滅び
A’ 創造の刷新
さて、この7部構成が従来の6部構成(1.創造、2.堕落、3.イスラエル、4.イエス、5.教会、6.新創造)と違う点は、6番目の要素(集中構造で言うB’)として「悪の滅び」を追加したことです。「悪の滅び」とは、キリストの再臨、最後の審判、そしてすべての悪への最終的勝利を含みます(1コリント15章23-28節、黙示録19-20章など)。もちろん、これらの要素は終末論的成就の一部として、従来のグランドナラティヴ理解にも含まれています。これを独立した一つの要素としたのには、二つの理由があります。 続きを読む