聖書のグランドナラティヴ再考(2)

前回の記事では、聖書のグランドナラティヴを次のような7部構成で考えることを提案しました:

A 創造
 B 悪の起源
  C 神の民(イスラエル)
   X イエス・キリスト
  C’ 神の民の刷新(教会)
 B’ 悪の滅び
A’ 創造の刷新

さて、この7部構成が従来の6部構成(1.創造、2.堕落、3.イスラエル、4.イエス、5.教会、6.新創造)と違う点は、6番目の要素(集中構造で言うB’)として「悪の滅び」を追加したことです。「悪の滅び」とは、キリストの再臨、最後の審判、そしてすべての悪への最終的勝利を含みます(1コリント15章23-28節、黙示録19-20章など)。もちろん、これらの要素は終末論的成就の一部として、従来のグランドナラティヴ理解にも含まれています。これを独立した一つの要素としたのには、二つの理由があります。 続きを読む

藤本満師による公開講演会

このところ多忙によりブログの更新ができていませんが、来週5月16日(火)に名古屋で行われるイベントについてお知らせします。

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福音主義神学会中部部会では、毎年5月に部会外から講師をお招きして、公開講演会を開催しています。昨年は鎌野直人先生をお迎えして、旧約聖書における「福音」の概念について語っていただきました(こちら)。そして今年は藤本満先生を講師としてお迎えできることになりました。 続きを読む