進化(深化)する信仰(2)

前回の記事)

今年に入って、レイチェル・ヘルド・エヴァンズの新刊Inspired(『霊感された書』)が発売されることを知り、早速予約注文して読みました(正確に言うと、多くの部分はキンドル版の音声読み上げ機能を使って通勤途中に聴いたのですが)。

今回彼女が取り上げた主題は、ずばり聖書です。本書はこんな書き出しで始まります。

昔むかし、あるところに、魔法の本を持った少女がいました。――

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ジョン・ウォルトン博士来日講演(3)

その1 その2

来日したジョン・ウォルトン博士の講演会が続いています。本日5月15日(火)の午前は聖契神学校の学生向けにヨブ記についての特別講義が行われ、午後には公開セミナーが行われました。この記事では後者について紹介します。

セミナーのタイトルは「創世記2章は何を語っているのか?~古代の世界観で人類の起源を考える~」というもので、アダムとエバの創造記事についての興味深い講演がなされました。このセミナーの内容は、今回邦訳された『創世記1章の再発見』ではなく、その続編であるThe Lost World of Adam and Eve(邦訳未刊)に基づくものでした。 続きを読む

教会が育てる翻訳聖書(月刊『いのちのことば』)

月刊『いのちのことば』2018年2月号「私はこう読んだ――『聖書 新改訳2017』を手にして」という新連載が始まりましたが、その第1回目の評者として原稿を書かせていただきましたので、許可を得てこちらでも掲載させていただきます。(「新改訳2017 最初の印象」もご覧ください)

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神の救いの全体像(「舟の右側」新年メッセージ)

舟の右側」誌の2018年1月号に新年メッセージの寄稿依頼をいただき、「神の救いの全体像」と題して書かせていただきました。まだ新年には少し早いですが、雑誌自体は25日に発刊になりましたので、記事のさわりだけをご紹介します。

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使徒行伝20章でパウロがエペソ教会の長老たちに語った訣別説教の中で、彼はエペソでの3年間の伝道活動を総括し、「私は神のご計画のすべてを、余すところなくあなたがたに知らせた」と語ります(27節)。 続きを読む

「宗教改革500周年」に思う

本日、2017年10月31日は500年目の宗教改革記念日です。1517年のこの日、マルティン・ルターがヴィッテンベルク城教会の扉に「95箇条の提題」を掲示したのが宗教改革の始まりと言われています。

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もちろん、実際の宗教改革はルター個人が始めたものと言うよりは、もっと大きな歴史的流れの中で起きていった運動ですので、正確にこの日に宗教改革が始まったとピンポイントで特定できるようなものではないと思いますが、一つの象徴的なできごとであったことには間違いないでしょう。

ルター作「神はわがやぐら(Ein feste Burg ist unser Gott)」

プロテスタント教会では国内外で宗教改革500周年を記念してさまざまなイベントが行われています。私自身もプロテスタントに属する一キリスト者として、やはり感慨深いものがあります。しかし同時に、プロテスタント教会は、ただ500周年を無邪気に祝うだけではなく、これまで歩んできた道を振り返り、改めるべきところは改め、さらなる改革を進めていかなければいけないのではないかとも思っています。 続きを読む

“Jesus Creed” (スコット・マクナイト)への寄稿2

先日公開した「聖書のグランドナラティヴ再考」(1)(2)の英語版を、スコット・マクナイトのブログJesus Creedに寄稿しましたので、このブログでもお知らせします。日本語の原稿に多少手を加えてあります。

Putting the Bible Together: Re-visioning the Grand Narrative of the Bible

JesusCreed

Jesus Creedへの過去の投稿記事、またマクナイト博士については、こちらをご覧ください。

 

聖書のグランドナラティヴ再考(2)

前回の記事では、聖書のグランドナラティヴを次のような7部構成で考えることを提案しました:

A 創造
 B 悪の起源
  C 神の民(イスラエル)
   X イエス・キリスト
  C’ 神の民の刷新(教会)
 B’ 悪の滅び
A’ 創造の刷新

さて、この7部構成が従来の6部構成(1.創造、2.堕落、3.イスラエル、4.イエス、5.教会、6.新創造)と違う点は、6番目の要素(集中構造で言うB’)として「悪の滅び」を追加したことです。「悪の滅び」とは、キリストの再臨、最後の審判、そしてすべての悪への最終的勝利を含みます(1コリント15章23-28節、黙示録19-20章など)。もちろん、これらの要素は終末論的成就の一部として、従来のグランドナラティヴ理解にも含まれています。これを独立した一つの要素としたのには、二つの理由があります。 続きを読む