なんだか「冷やし中華はじめました」みたいなタイトルで恐縮ですが、『福音と世界』誌上でルカ福音書の釈義を連載することになりました。第1回はつい最近発売された、2022年1月号です。
『福音と世界』の新約釈義は過去には荒井献先生(使徒言行録)や青野太潮先生(1コリント書)といった、日本の新約聖書学を代表する学者の方々が執筆しておられたので、このお話を最初に頂いた時には、驚き、信じられませんでした。「なぜ私?」「私でいいのだろうか?」というのが正直な思いでした。自分にはとても無理だと思いましたが、新教出版社の小林社長の熱意に押されて、拙くてもとにかく全力を尽くしてみようと思い、お引き受けしました。
月刊誌の連載ですので、毎月必ず巡ってくる締切までに、一定の量の原稿を書いて出版社に送らなければなりません。私の前に牧会書簡の釈義を担当されていた辻学先生は、70回に及ぶ連載を一度も休むことも締切に遅れることもなくやり遂げられたそうですが、それがいかに凄いことか、実際にやり始めてみて実感しています。
釈義の作業に終わりはありません。ギリシア語のテクストは難解で、2次文献は果てしなくあります。どこかで切りをつけて原稿にまとめなければならないのですが、学べば学ぶほど自分の無知と無能を思い知らされています。
けれどもそれは同時に、聖書のテクスト(しかも一番好きなルカ文書)に没頭する至福の時間でもありますので、このような機会を与えられたことを心から感謝しています。どこまで続けることを許されるか分かりませんが、自分としてはライフワークにするつもりで、頑張っていきたいと思います。
この釈義連載はかなり専門的な内容になりますが、興味のある方はお読みください。
ところで、初回の注解は、1章2節の途中で終わってしまいました。残りは次回以降になります。この調子で進めていくと、ルカ福音書全巻の釈義を終わるまでに50年くらいかかってしまう計算になります。何とか生きているうちに書き終えたいと思っていますので、もう少しペースを上げていこうと思います。