『百万人の福音』ルカ文書連載

このブログでの紹介がすっかり遅くなってしまいましたが、『百万人の福音』の今年(2019年)の1月号から「ルカが語る福音の物語(ストーリー)」と題して、ルカ文書についての連載をしています。

1million

12月号の記事

ルカ福音書や使徒行伝をそれぞれ単体として解説した本は多いですが、この連載では、この2つの書をルカによる一つながりのストーリーと見る視点から概観を試みています。まずはルカ文書全体について緒論的な内容をいくつか取り扱った後、二部作のプロットに沿って解説しています。もちろん、限られた紙面で注解書のように詳細で網羅的なコメントはできませんので、重要と思われるポイントのみを取り上げて光を当てるようにしています。

『百万人の福音』は学術誌ではなく一般のクリスチャン向けの雑誌です。この連載でも、一般の方々にルカ文書、ひいては聖書の魅力が伝わることを願い、学問的な知見を盛り込みつつも、専門的な知識がなくても理解できるよう、なるべくわかりやすい表現を心がけています。

そんな中、お世話になっている編集者さんから嬉しい報告をいただきました。刑務所で服役中のある人が、毎月差し入れられる『百万人の福音』の中で、私の連載記事をいつも楽しみに読んでくださっているというのです。

この方がどのような経緯で今の状況に至ったのかはわかりません。けれども、どんな人であっても、聖書を通して神を求めていくのは素晴らしいことですし、その中で私の書いたささやかな文章がお役に立っていることを知って感謝しました。そしてこのようなできごとは、すべての人の救い、特に社会の周縁にいる人々に対する神の恵みを強調したルカにふさわしいと思いました。ちょうどアドベントの季節にこのお話を伺ったこともあり、クリスマスのメッセージともつながってきました。

現在、ルカ福音書の終わりまで書き終え、これから使徒行伝に入っていきます。この連載は来年度いっぱい続く予定ですので、今からでも興味のある方はお読みいただけると感謝です。